News & Campaign

沈船ダイビングという言葉はご存じでしょうか？これは名前の通り、海底に沈んだ船を見ることを目的にしたダイビングで、レックダイビングとも呼ばれます。
沈んだ船や飛行機を探索するこのダイビングは、その独特な魅力と非日常な体験から多くのダイバーに愛されています。沈船ダイビングは時間の流れに思いを馳せ、海の中で新たな世界を発見することができる冒険でもあります。
長い年月を海底で過ごした船の船体やその周辺には、豊かな生物相が群生しており、まるで海の中の別世界に迷い込んだような錯覚に陥ります。冒険のようにロマンチックなダイビングをしてみたい方にとっておすすめです。ただし、沈船ダイビングは比較的水深の深い場所が行われるため、ある程度の技術が必要とされる傾向にあります。挑戦を考えられている方は事前にインターネットなどで情報を確認してください。
今回の記事では、沈船ダイビングの魅力や、世界各地の有名なスポットを紹介します。沈船ダイビングの世界を通じて、海底の大冒険に出かけましょう。

1.沈船ダイビングの魅力とは
沈船ダイビングは、ダイバーたちにとって魅力的な体験の一つです。沈んだ船の船体を探索することで、まるで過去の時間の中に入り込んだような感覚を味わうことができます。海底に沈む船は、まるでタイムカプセルのような存在であり、その中には貴重な歴史の断片が封じられていることもあります。
例えば、沖縄県の古宇利島には、大破したアメリカ軍の駆逐艦エモンズが沈んでいます。エモンズは沖縄戦に参加した際日本軍からの特攻を受けて大破したのち、日本の手に渡ることを恐れたアメリカ軍によって沈められたといいます。現在も古宇利島沖にはこのエモンズが沈んでおり、全長106ｍもの船体内部は、大戦当時の面影を残して沈んでいます。
また、沈船に生息する生物も沈船ダイビングの魅力です。海底で長い年月を経た沈船は様々な海の生き物たちの住みかとなっています。
海の一部となった沈船人工物である沈船と、そこに群生する生き物が長い時間をかけて生み出した独特の風景。まるで別世界に足を踏み入れたかのような興奮を味わえます。
そして、沈船ダイビングはスリルに満ちた冒険でもあり、海の中で沈船の雄大さに迫る興奮と楽しさを提供します。漁船、輸送船、戦艦、飛行機といった様々な大きさや形状の沈船が世界各地に点在しており、どれもとても魅力的なスポットとなっています。日本国内には初心者向けの沈船ダイビングスポットもありますので、興味のある方はこの夏に挑戦してみてはいかがでしょうか？

2.沈船ダイビングで見られる海の生き物たち
沈船ダイビングは、沈船そのものだけでなく、そこに根付いた豊かな海の生き物との出会いも楽しめる魅力的な体験です。沈船の周りにはさまざまな生物が集まり、ダイバーたちは美しい生き物たちとの交流を楽しむことができます。
例えば、沈船の周辺にはカラフルな珊瑚礁やソフトコーラルが群生していることがあります。これらのサンゴ礁は、美しい姿と鮮やかな色彩で海底を彩り、沈船ダイビングの魅力を一層引き立てています。また、サンゴ礁にはさまざまな種類の魚が集まり、ダイバーたちを楽しませてくれることもあります。カラフルな魚たちが沈船の周りを泳ぎ回り、ダイバーたちを迎えてくれることでしょう。
さらに、沈船ダイビングでは大型の海洋生物にも出会うことがあります。場所にもよりますが、小さな魚からアジやイサキの群れ、ウミガメなどの多彩な生き物たちが沈船の近くに現れることがあります。
沈船ダイビングは、歴史の断片に触れる貴重な機会というだけでなく、豊かな海の生き物との交流も楽しめる場所なのです。

3.日本の有名な沈船ダイビングスポット
沖縄県・古宇利島
前述したとおり、第2次世界大戦時に沈められたアメリカ軍の駆逐艦エモンズが見られます。このエモンズの特徴は何といってもその大きさです。その全長は国内最大級の106ｍで、巨大な砲台なども当時の姿のまま残っています。
雄大な戦艦の姿を今でも見ることができる素晴らしい場所ではありますが、エモンズの沈む位置は水深40mほどの地点になりますので、ある程度ダイビングに慣れている方でないとみるのは難しいでしょう。

静岡県　熱海
静岡県に位置する熱海にも、沈船ダイビングが楽しめる有名なスポットが存在します。全長81mの沈船、朝日16号です。
この沈船は水深30mほどの砂地に沈んでおり、1986年に沈没するまでは砂利を運んでいたとされています。真っ二つに折れ曲がった船体の甲板ではソフトコーラルが色彩豊かな漁礁を形成しています。

和歌山県　白浜
温泉などで有名な観光地白浜の海では、水深18mほどの比較的浅い海域に、全長31mの沈船が横たわっています。この船は人工的に漁礁を作るためにとして沈められたもので、初級ライセンスのオープンウォーターしか持っていない初心者の方でも沈船ダイビングを楽しめるスポットとなっています。海底で漁礁となった船を様々な魚の群れが駆け巡る光景は、地上では絶対に見られません。

4.世界の有名な沈船ダイビングスポット
バヌアツ共和国・サント島
バヌアツ共和国は南太平洋に位置する島国で、約80からなる島々で構成されています。バヌアツにはダイビングスポットが多数存在しており、サンゴ礁や海底洞窟、沈船を目当てに世界中からダイバーが集まります。
バヌアツ共和国最大の島であるサント島にはプレジデント クーリッジという、アメリカ軍が第2次世界大戦時に使用していた輸送船が沈んでいます。その船体はなんと全長200mを超えるほどの巨体です。初心者向けから上級者向けまで、ダイバーの技量に合わせたルートがいくつも用意されていますが、日本からバヌアツへの直行便が無いのが難点です。

アメリカ合衆国・フロリダ州
フロリダ州キーウェスト沖の水深50mほどの海底には、ヴァンデンバーグというアメリカのミサイル追跡艦が沈んでいます。この船は漁礁を作るために沈められ、世界で2番目に大きな人工の漁礁となっています。
この船の特徴は、巨大なパラボラアンテナです。これはミサイルを追尾するための装置だったのですが、現在もそ船体にその姿が残されています。

エジプト・シャルム・エル・シェイク
シナイ半島南部に位置するシャルム・エル・シェイク付近の紅海には、全長126mにもなる巨大な輸送船が沈んでいます。
その船の名前はティスルゴウム。第2次世界大戦中にイギリス軍の輸送船として使われていたもので、水深30mほどの地点で沈んでいます。
この船は多数の輸送品を抱えたまま沈没したため、船内には当時使われていた数々の軍需品が眠っています。

いかがでしたか？
沈船ダイビングは、まるで冒険者のような気分を味わえる魅力的なダイビングの一つです。歴史の舞台となった船体や豊かな海の生き物との出会いを通じて、冒険心くすぐられるロマンチックなダイビングを楽しむことができます。沈船ダイビングは、歴史や海洋生物の豊かな世界を体験できるスリリングな冒険であり、きっと一生の思い出になることでしょう。夏の輝く海を背景に、大自然の美しさを目の前にしながら、ダイビングの魅力を存分に堪能してください。気候の良い夏にぴったりのアクティビティで、新たな世界を発見しましょう。